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右代啓祐(十種競技アジア王者)が伝えたい十種競技の魅力vol.2「10種目を終えると肉体と精神の疲れが物凄い」

オリンピック競技で最も過酷と呼ばれ、勝者が「キング・オブ・アスリート」と呼ばれる陸上の十種競技。これまでオリンピック(2012年ロンドン大会、2016年リオデジャネイロ大会)に2度出場し、昨年8月のアジア大会で見事2連覇を成し遂げた右代啓祐選手(33歳)。今回は、十種競技2日目に行われる5種目があまりにも辛いという話となった。

Icon aff20898 d2d2 431d 8b05 0f3c5e5ae91b 佐久間秀実 | 2019/09/25
右代啓祐が伝えたい十種競技の魅力vol.1

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ーー2日目、体の状態はどのようになっていますか?1種目目が「110mハードル」となります。

右代:全身筋肉痛で「今日は無理でしょ」と(笑)。ただ、初日に良い記録を残せていると、疲れが気にならない状態で挑むことができます。ハードルを上手く飛べるように股関節周りの柔軟性を高めてから臨みます。

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ーー次の「円盤投げ」は、
右代選手のフィジカルを存分に発揮できそうですね。 
右代:そうですね。円盤投げは、世界で3本の指に入る1番得意な種目となります。上位に食い込むために「やってやるぞ」といつも思いますね。体を回転させながら投げるので、自分の体の位置を正確に把握していないと遠くに飛ばすことができません。肩の高さが1cm下がるだけで飛距離が変わります。円盤・砲丸と後ろを向いた状態でスタートする競技は、成功するか失敗するかやってみないと分からない部分があるので、安定させることが課題ですね。

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ーー3種目目の「棒高跳び」、これはかなり難しそうです。

右代:約5mの棒を持って走りながら跳びます。棒自体は軽いですが、長いので走っていると重く感じます。簡単ではないですが、得意種目の1つで、昨年ベストタイ記録を出しています。   過去に棒が折れて怪我をしたことがあるので、試合前に入念な準備を行いますね。跳んでからマットに落ちるまでの時間が心地良く、クリアして跳べた時に爽快感がありますね。

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ーー「やり投げ」、こちらも得意種目となりますか?

右代:高校生の時に始めた得意種目ですし、ポイントを獲得して大きく挽回できるチャンスがありますね。これまでの日本選手権で、やり投げで逆転して1位になることが多かったです。   空気抵抗を受けずに地面と平行に放物線を描いて飛んでいくのが理想です。やりを投げる瞬間の初速や飛び方を見てほしいですね。

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ーーラストは1500mです。最後の最後に追い込むのですね。

右代:はい、最後に1番きつい種目となります(笑)。気持ちはゴールに向かっていますが、ベスト記録が出そうな時には不安になり、スタート直後は100mと同じような精神状態となります。  

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m近くの選手たちが最後の最後に力を振り絞りながら走り、ゴール後に倒れ込む姿が見ものだと思います(笑)。
10種目を終えると肉体と精神の疲れが物凄いので、「もう何もしたくない」という気持ちになります。回復するまでに1週間はかかりますね(笑)。

vol.3
へ続く。
 

取材写真/八木茂樹

提供写真/右代啓祐
取材協力/国士舘大学