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右代啓祐(十種競技アジア王者)が伝えたい十種競技の魅力vol.4「東京五輪のメダル獲得に繋げたい」

オリンピック競技で最も過酷と呼ばれ、勝者が「キング・オブ・アスリート」と呼ばれる陸上の十種競技。これまでオリンピック(2012年ロンドン大会、2016年リオデジャネイロ大会)に2度出場し、昨年8月のアジア大会で見事2連覇を成し遂げた右代啓祐選手(33歳)。右代選手は、現在、何を課題に取り組んでいるのだろうか?

Icon aff20898 d2d2 431d 8b05 0f3c5e5ae91b 佐久間秀実 | 2019/10/03


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ーー現在、何を課題にしていますか? 
右代:自分に足りないものを探しにいくために、昨年12月から世界チャンピオンを指導したアメリカのハリー・マラ氏の下で武者修行を行っています。これまで霧の中を彷徨いながら光を求めているような状態でしたが、やるべきことと目指していることが明確となって、扉が開いたような感覚となりました。成果を上げることができるように頑張ります。
 
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ーーモチベーションの上げ方も気になります。
右代:明確な目標をしっかり持つことが1番大切ですね。「山登り」に例えると分かりやすいと思います。叶えたい目標を頂上に置き、実現するために頂上までの途中の何ヶ所にチェックポイントを作ります。それぞれにやるべきことを書き出して、1つ1つクリアしていくようにします。そうすることで、何となく練習するということがなくなりましたね。何が得意で苦手かを把握することで、普段の生活や練習での過ごし方が変わってきます。  

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次に環境を整備します。モチベーションが下がっている時に、仲間を集めてディスカッションしながら練習をするとやる気が上がりますね。大好きな人とディズニーランドに一緒に行くようなドキドキ感があると、普段の練習でも充実した精神状態でトレーニングを励むことができます。  

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ーー世界でランニングの人口が最も多いと言われています。右代さんは、ランニングをどのような位置付けで行っていますか?

右代:あまり長い距離を走らないですが、競技に1500mがありますし、体力を上げたり体を調整するためにランニングを行います。山に行って不整地で走ることで安定感を養うことができるのが良いと思いますね。  

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ーーランニングを続けるためのアドバイスをお願いします。

右代:まず、なぜ続かないのかを考えてみるのはいかがでしょうか?「ランニングをやりたいけど続かない。やりたいけどやる気が出ない」という気持ちに僕もなります。そのようなときは1人で抱え込まないで、一緒に走る仲間を作ると良いと思いますね。  

明確な目標を持って、環境を整えてから走ることをお勧めします。
・大会に出場する。
・距離を決めて走る。
・目標体重を設定する。
・ランニングコースを色々変えてみる。
・走らない日に筋トレをやる。
・疲れている時に走らない。
・好きなものを食べる日と我慢する日を作る。  
 
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ーー世界陸上ドーハに向けての意気込みを教えてください。

右代:今回で5大会連続出場と言う事で、毎大会世界を経験して強くはなっているのですが、大舞台での成果が今ひとつ出ていないと言うのが現状です。それを自身で危機感と感じていましたが、自分に何が必要で何を強化していけばいいのか明確になりました。今大会ではその成果を出して、東京五輪のメダル獲得に繋げたいですね。  

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ーー来年の東京五輪まで1年を切りましたね。

右代:東京五輪は、選手として最終の位置付けであると考えています。前回のリオで、怪我をして思うような結果が出なく悔しかったです。来年は五輪3大会目の出場になるので、結果を出せるように頑張ります。 (了)  

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取材写真/八木茂樹
提供写真/右代啓祐
取材協力/国士舘大学