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発起人Kの独り言・番外編 vol.18『体脂肪29.9%からの大逆襲/イケてる身体に俺はなる! その11・剛力彩芽となかやまきんに君、どっちを選ぶ?』

子供と一緒にプールに行ったときに、恥ずかしくない身体になる! お酒大好き、運動嫌いなキングギア発起人の金子達仁(50歳)は、パーソナル・トレーナーと出会い、イケてるボディを目指してトレーニングを始めた。当初はあまりのキツさに心が折れかけたが、徐々に成果が現れ始めたことでやる気が出てきて…。

Icon kaneko 金子 達仁 | 2016/12/14
たった1カ月で、糖尿病の指数を表す数値が劇的に好転した。貧弱だったやる気を押し上げていたターボは、これでツインターボになった。

わたしは、新たな手を打つことにした。

「最近、倒れるだけで腹筋が鍛えられる、みたいなトレーニング機器のCMをよく見るんだけど、あれってどうなの?」

わたしにモットーのようなものがあるとすれば、それは「最小の労力で最大の効果を」だろうか。

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幸か不幸か、我がパーソナル・トレーナーのキム・ガンミョン君が課してくるトレーニングは「最大の労力プラスα」なレベルとしか思えないのだが、モットーを忘れたわけでは断じてない。

というか、もし本当に「倒れるだけで腹筋が鍛えられる」というマシンに効果があるのであれば、ガンミョン君のトレーニングによって“下地”が鍛えられつつあるわたしには、さらに効果的なのではないか──そう考えたのである。


「そんなのありましたっけ?」

最高の結果を得るためには最大の努力を惜しまないタイプであるらしいガンミョン君は、最小の労力で最高の結果が得られると宣伝しているトレーニング機器のことを知らなかった。

ならば仕方がない。わたしはケータイの動画を見せた。

一つは剛力彩芽さんがやってるヤツで、もう一つはなかやまきんに君がやってるヤツである。

「へ~え、これだったら腹筋の下の方にも結構効くでしょうし、いいんじゃないですか?」

「あ、じゃ買ってみるわ。で、どっちがいいと思う?」

「う~ん、見たところ、あんまり大差はないですねえ」

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ならば、とわたしは即決した。なかやまきんに君によるワークアウトDVDがついてくる『ワンダフルシェイプ スマート』である。

剛力さんよりなかやまきんに君の方が好きだったから、ではない。わたしがなりたいのは剛力さんのような超絶スリムではなく、なかやまきんに君のようなマッチョな身体だから、でもない。

DVDに惹かれたわけではまったくない。即決した理由はいたって簡単で、『ワンダフルシェイプ・スマート』の方が安かったから、である。

恥ずかしながらここ20年あまり、数多の健康器具に手を出してきたわたしである。

乗っているだけで乗馬の論理でダイエットができるとか、お腹に巻くだけで腹筋が鍛えられるとか、概ね2年に1種類のペースで「最小の労力で最大の効果」を得るべくいろんな機器を買い漁ってきた。

にもかかわらず、まったく効果が実感できなかったからこそ、キム・ガンミョン君のもと地獄のトレーニングに励むことになったわけで、端的にいえば、通販で売っているようなものにかなり懐疑的になっていたのである。

だったら、安い方がいいっしょ。1週間後、自宅に商品が届いた。

「ま~たそんなくだらないもの買って‥‥」とヨメは渋い顔だったが、「あ、でも6000円ぐらいだし」というと何も言わずに引き下がった。もし剛力さんがCMをやってるヤツにしていたら、確実に1万円は超えていたので、まずは胸をなで下ろしたわたしだった。

子供のころからプラモデルを満足に完成させたことがないぐらい、組み立てとか機械とかにとことん弱いわたしだが、『ワンダフルシェイプ スマート』は何とか組み立て終わることができた。

過去には、包装から取り出したところで気持ちが折れてしまった商品もあったのだから、我ながらよく頑張った。

で、翌日からトレーニングを開始した。

腹筋20回×3セット、腕立て伏せ10回×3セット。自分の力だけでやるとなると結構なキツさだが、マシンを使うと、バネの力がサポートしてくれることもあってスイスイこなせる。

ただ、だからといって無意味なのではなく、1セットを終えるごとに腹筋や二の腕が確実にパンプしているのがわかる。  

お、こりゃいいかも。 自宅でのトレーニングである以上、そばにはパーソナル・トレーナーがいない。なので、わたしの性格を考えた場合、キツすぎるトレーニングは頑張れない、頑張りきれないところがあるし、いずれはイヤになってやめてしまう可能性もあった。

ところが、『ワンダフルシェイプ スマート』を使ったトレーニングはキツくない。キツくないのに効いてることが実感できるので、日を追うごとに腹筋の、腕立て伏せの回数を増やしてしまっている自分がいた。

しかも、このトレーニングを始めてから、週に2回、ガンミョン君に課せられるノルマが軽く感じられるようになってきた。

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「なんか、明らかに大胸筋のあたりが張ってきてますよね。あと、ご自分では見えないでしょうけど、背中にははっきりと筋肉のラインが見えるようになってきてますよ」

マシンが届いてから2週間ぐらいがたった時、ガンミョン君に言われた。いや、実は自分でもそうではないかと思い始めてはいたのだが、プロにそう言ってもらえるのはやっぱり嬉しい。

確かに、ここのところはっきりと肋骨が浮きでてきた気がするし、何より、力を抜いても腹がボコッとならなくなってきたのだ。 ターボはツインターボになり、ここにきてスーパーチャージャーも加わった。  

たとえばサッカー台湾代表の監督になった方とか、たとえば息子さんが甲子園のスターになろうとしているラグビーの監督とか、名うての雀豪にはからっきし歯が立たない反面、雀力が控えめな方を相手にした高レートの麻雀では、無類の強さを誇ってきたわたしである。

苦境や負け戦にはとことん弱いが、勝ち戦には滅法強いわたしである。その嗅覚が囁いていた。

チャンスタ~イム。  

ここは畳みかける時だった。ガダルカナルの例をとるまでもなく、戦力の漸次投入ぐらい非効率なことはない。  

わたしは、クスリに手を出すことにした。  

恐ろしい副作用が待っているとも知らずに。

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