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【イベントレポート】A.L.E14#03 安藤秀・中野崇が語る、言葉の前提事項の重要性

4月25日(月)、恵比寿アクトスクエアにて、A.L.E.14#03が行われた。 第3回となる今回は、ゴルフA級ティーチングプロの安藤秀氏、スポーツトレーナーの中野崇氏と、スポーツを言語化することに長けた2人が登壇するとあって、開演前には既に満席となり、集まった人たちの関心の高さをうかがわせた。

Icon segawa.taisuke1 瀬川 泰祐(せがわたいすけ) | 2017/05/01
まずは、今回で2回目の登壇となった安藤秀氏が、会場に集まった人たちに質問する。
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「このなかでゴルフをやったことある方はどれくらいいますか?」  

挙手の結果、思いのほか、ゴルフをやったことがない人が多かったが、A.L.E.14のテーマは「言語化」への挑戦。

A級ティーチングプロの安藤氏が、ゴルフという競技を知らない人たちに対して、どのようにして言語化し、わかりやすく伝えてくれるのか、という点に注目があつまった。

安藤氏は、「短いパットは何故はずれるのか?」という、ゴルフ経験の有無を問わない、シンプルでわかりやすいテーマをもとに、50cmほどの短いパットが外れる原因を3つあげ、ゴルフの世界にはびこる小さな誤解を、身振り手振りを交えながら、分かりやすく紐解いていった。

中でも興味深かったのは、「パターはまっすぐ引いてまっすぐ出す」という、よく使われるフレーズに対する多くの人たちの誤解についての話だ。  

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安藤氏は、パターの構造や身体の動きを説明しながら、パターをまっすぐ動かそうとすると、手を曲線に動かさなくてはならなくなることを説明し、最終的に、「パターは“手を”まっすぐ引いてまっすぐ出す」という言葉が正しいと結論づけた。  

言葉の前提事項を省いてしまうと、大きな勘違いを生むという例に、集まった人たちも、関心しているようだった。  

安藤氏のプレゼンテーションが終わり、ナビゲーターである中西哲生氏とのトークセッションになると、パターに限らず、ゴルフのスイング理論にも話が及ぶ。

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中西氏がゴルフ以外のスポーツを引き合いに出しながら、鋭い視点で質問することにより、ゴルフスイングにおける特徴的な動きである円運動のことについて、安藤氏の言葉が引き出されていったのが印象的だった。  

そして、10分間のブレイクタイムを挟み、次に登壇したのは中野崇氏。長友佑都選手を始め、多くのトップアスリートのトレーナーをつとめている。  

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中野氏は、 「とても危険な“正しい”〇〇」というテーマを掲げ、世の中には、「正しい身体の使い方」「正しいトレーニング」といった「正しい○○」が蔓延していることに警笛を鳴らした。  

同時に、自分にとっての正解を探すためには、誰が作ったのか?誰がやるのか?という2つの前提条件が必要だという理論を語った。

たとえば、サッカーのようなスポーツの場合、欧米で作られたスポーツを日本人が行うという事実を考えながらトレーニングすべきだとし、「正しいトレーニング」「正しい姿勢」の前提をしっかり把握することが大切だと訴えて、プレゼンテーションは終了した。  

中西氏と中野氏のトークセッションに移ると 深い話に。

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「日本人としてのアイデンティティーを残しつつ、体格やパワーで上回る世界の強豪国と渡り合うにはどうしたら良いのか?」

という質問に対しては、中野氏は、「空手や柔道などの武道を行いながら、高重心系のスポーツを行い、重心をコントロールすることができれば、日本人らしいスタイルで世界と渡り合えるのではないか」との持論を展開した。  

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その後も、呼吸法や、武道的な動きである「いなし」といったフィジカル的な技術論にまで話は及び、多くの人たちが、真剣に耳を傾けていた。  

日本人としてのアイデンティティーを強烈に意識しながら、世界と渡り合う手法を模索する中野氏。

日本のスポーツ界は、長年にわたり、フィジカル面でのハンディをどう埋めるかという議論がなされてきたが、中野氏の理論はもしかしたら、一つの解になる可能性があるのかもしれない。  

なお、A.L.E14#03の詳細は、後日、A.L.E14公式サイトにて公開される動画で確認してほしい。    

次回以降の開催について  

4月27日(木)平野早矢香(2012年ロンドン五輪・卓球女子団体銀メダル)
5月29日(月)岩政大樹(元サッカー日本代表)
6月20日(火)伊藤華英(元競泳日本代表/北京・ロンドン五輪出場)

■A.L.E14公式HP:http://ale14.com/
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