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Bリーガーに訊く!千葉の〝和製ビッグマン”伊藤俊亮が抱くギアへのこだわりVol.1「バッシュは履き慣らさないと、実戦には使えない」

2016年9月22日、日本バスケットボール界の新時代が幕開けしてから1年が経った。振り返れば、プロリーグとして予想以上の盛り上がりを見せたのは間違いない。そんな中、千葉ジェッツは1月の天皇杯で初優勝を成し遂げ、Bリーグのチャンピオンシップ(CS)準決勝まで勝ち上がるほどの躍進ぶりを見せた。このチームを支えた一人が204㎝の大型センター伊藤俊亮選手だ。今回は、第一線で15年間プレーし続け、日本バスケとともに歴史を歩んできた38歳のベテランに、ギアについて話を聞いた。

Icon 1482131451808 佐藤 主祥 | 2017/06/26
―伊藤選手はキングギアでのインタビューで初のバスケットプレーヤーです!
   
伊藤そうなんですか!ありがとうございます!!(笑)  

―では早速、伊藤選手がバスケを始めたきかっけをお聞かせください。  

伊藤中学校からバスケを始めたのですが、きっかけはやはり『スラムダンク』ですね。僕の学生の頃は90年代前半で、ちょうどこの漫画で“バスケブーム”が巻き起こっていましたから、友達とどの部活に入るか話し合ったときに「バスケ面白そうじゃない?」って(笑)。みんなで流行に乗っかった感じですね。  

―当時の『スラムダンク』から受ける影響は大きいですよね~!伊藤選手は204cmと、かなり大きいですが、中学生の頃の身長はどのくらいあったのですか?
 

伊藤
入学して初めて測った時169cmあったと思います。ただ、僕ら世代の中では大きい方だったのですが、今のバスケ選手に中学生の頃の身長を聞くと180cmあった人もいて(笑)。それを考えると特別大きいわけではなかったと思いますね。  

―現代のプロ野球もそうですが、昔と比べると高身長の選手が明らかに増えてきていますからね。では、190cmに到達したときは高校生とか?  

伊藤
だいたい中学校の卒業前くらいの時期だったと思います。そこから少し間が空いて、20歳くらい頃に一気に2mを超えました。  

子供の成長の過程で「第一次性徴期」「第二次性徴期」ってあると思うんですけど、僕の場合は第二次性徴までの間が無くて、24歳くらいまでずーっと伸び続けた感じでしたね。最後の数年はミリ単位でしたが、伸び続ける身長に恐怖した時期はありました(笑)。

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―ギアの話になりますが、初めて履いたバッシュは何でしたか?やっぱり、桜木花道が履いていたNIKEの『Air Jordan(エア ジョーダン)』ですか?(笑)
   
伊藤ジョーダンはちょっと高いので買えませんでした(笑)。21,500円くらいしたので、中学生の僕には手が届かなかったですね…。  

最初に買ったのはNIKEの『Air Maestro(エア マエストロ)』です。まだメーカーやバッシュの特徴は全然詳しくなかったですし、昔は大きいサイズがあまり出回ってなかったので、僕の足のサイズに合うものを探すのが大変だったんですよ。 中学1年生当時で29cmはありましたから。なので、横浜のスポーツ店まで行ってサイズが合うバッシュの中でカッコいいものを選んだ結果、それが『Air Maestro』だったわけです。
 
―90年代前半では相当人気でしたよね!  

伊藤そうですね。最近でも、90年代のモデルが復刻していますし、機能性やカラーリングもアップデートされていて、とても話題になりました。
 

―それからはずっとNIKEを履かれていたんですか?  

伊藤
はい。高校生の頃までは自分で買っていましたが、ご縁があって大学からはNIKEさんの方から提供して頂いたので、それからずっとお世話になっています  

バッシュを選ぶ時に求めるものや、こだわりがあったら聞かせて頂きたいのですが。  

伊藤僕はポジションがセンターなので、ガッチリとした耐久性・ホールド性が高いバッシュを選んでいます。ちょっと体重もあるので、あまりにねじれてしまったり、ソールの柔らかいものは履けません。  

ただ、最近のバッシュは軽量化に重視したモデルが生産される傾向にありまして。僕は前まで硬くて重量感のあるバッシュを好んで履いていたのですが、ある時、試しに軽いものを履いてみたら、スピード感が「全然違う!」って気付いたんです。それからは軽量性も求めるようになりましたね。  

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―ということは、昔と比べてバッシュも段々と変化してきていると?  

伊藤 基本的な構造としてはそこまで大きく変化しているわけではありませんが、中に入っているエアのシステムもが少しずつ変わってきているし、ミッドソールのクッションはどんどん新しくなっていく印象です。

というのも、昔のバッシュってエアが入っているとはいえミッドソールが固いですし、アウトソールも硬くて、足に慣れるまでに時間がかかったんです。  

でも、最近のバッシュはテクノロジーの進歩によってある程度薄くてもクッション性と反発性が確保できています。それによって軽さと柔らかさが出てきたので、今は2~3回履けば慣れるようになりましたね。


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  ―ソールの厚さでそこまで違いが生まれるものなんですね。“慣れ”という部分では、サッカー選手にインタビューで聞くと、試合の前半と後半でスパイクを新しく履き替えるという選手もいました。逆にバスケット選手は新品にするというより、慣らしたものを履くという感じなのでしょうか?  

伊藤
バスケットっていうのはポジションによって身体の使い方が変わってきます。バッシュもそれぞれ動きに合った感覚に調整しなくてはいけません。ただ、アウトソールのしっかり止まるグリップ感と、ミッドソールのクッショニングを自分の好きな具合にするまで時間がかかる。

新しいものを履いて、そのままの状態が好きっていう人もいるんですけど、大体の選手は少し履き慣らさないと試合に使えるまでにもっていけないんです。なので、僕の場合は
1シーズン(60試合)で10足くらいしか使いませんし、試合中に新しいシューズに履き替えるといったことはしません。
 

NBAの選手クラスだと、スポンサーとの契約もあって毎試合履き替えることは珍しくありませんが、サッカーのスパイクにはクッション性がほとんど必要ないと思うので、その辺はバスケと違うところであり、それぞれの特徴だと思います。面白いですね。

<インタビュー第2回はこちら>  

<インタビュー第3回はこちら>  

取材協力/株式会社千葉ジェッツふなばし、株式会社ブースト


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