Dscn4092  2

世界一の選手たちの動きをサポートするバドミントンシューズ!ミズノ『ウエーブファング』とは。

日本のバドミントン選手たちが、強い。世界一に輝く選手たちがいるなど、国内での競争が激化している。今回は、ミズノ(ミズノ株式会社:代表取締役 水野明人)が展開しているバドミントンシューズの企画開発担当者の中谷氏に、世界一の選手も履くシューズについて熱く語っていただいた。

Icon aff20898 d2d2 431d 8b05 0f3c5e5ae91b 佐久間秀実 | 2018/04/18
バドミントンは、前後左右や浅く深くと非常に激しい動きをするので、足の感触や負担を気にする選手が非常に多い。  

バドミントンシューズは、選手にとって最も大切なアイテムだ。  

ミズノは、バドミントンシューズ作りにおいても、トッププレーヤーや部活生たちから絶大な信頼を得続けている。  

Thumb dscn4079

ミズノ株式会社

グローバルフットウエアプロダクト本部
ラケットスポーツシューズ担当
中谷俊貴氏  

Thumb dscn4087

――「ウエーブファングSS2」について


中谷:「ウエーブファング」というシリアスプレーヤー向けのシリーズを展開しています。その中でも「ウエーブファングSS2」は、しっかりとグリップ力を発揮して、スピードを高めることができるシューズです。  

・D-Flex Groove
アウトソール中足部斜め方向に屈曲溝を入れることで内捻りをしやすくし、高速ターン時の自然な蹴りだしをサポートします。

バドミントンの奥原希望選手に着用していただいているモデルとなります。奥原選手のプレースタイルは、非常に攻撃的で守備の時もしっかりと打ち返して攻撃に転じていくことです。
 

――選手とのやりとりから誕生

中谷:選手たちからヒアリングをしています。特に奥原選手はフットワークを大切にされており、プレー中の動きを殺さずにスムーズに移動できるようなシューズを完成させました。軽さ、踏ん張りやすさ、切り返しやすさを大切にしているので、今回のモデルのコンセプトは、彼女の意見から生まれたところもあります。

Thumb dscn4088

――「ウエーブファングSS2」の特長ついて


中谷:バドミントンのプレーは、非常に過酷です。長いラリーになると、何分間も続くこともあります。打っては、追いかけて、切り返して違うところに行って、飛びついていく。   バドミントンは、体重移動をする際に重心に負担がかかる競技ですので、当然シューズにも負担がかかってきます。    

例えば、ゼロコンマ数秒でもスリップしたり、ちょっとでも体の重心がずれてしまうと、それだけで命取りになってしまいます。グリップ性、耐久性、サポート性に関しては、他のどの種目のシューズよりも追求をして作り込んでいます。

Thumb dscn4069  2

サポート性もそうですが、足への負担を軽減するために、ミズノウエーブというプレートが入っています。このミズノウエーブが入っていることで、バドミントンに効果的なクッション性と安定性を両立しています。  

シューズ自体が重くなると動きにくくなるので、削れるところはなるべく削って軽さを出しています。スピードという部分では、シューズの柔らかさも大切になってきます。  

サポート性を出しながら屈曲性を出し曲げやすくして、メリハリをつけるような形にもなっています。

Thumb dscn4081  2

――アッパーについて


中谷:バドミントンは、急に止まる競技なので、ちょっとでもシューズの中で当たりがあると、痛みが出て怪我に繋がる可能性があります。そうならないように特に前足部は1枚革で覆うような構造になっています。  

内側やつま先に関してはプレー中に摩耗が生じるので、その部分を補強材でカバーしています。特に右利きの選手であれば左足を擦っていきます。プレー動作にとって大事なかかと部分に関しては、きちんと固めて軽くて動きやすさを感じるようにしています。

Thumb dscn4077  2

――インソールについて


中谷:かかとや母指球部分には厚みを持たせて、フィット感とサポート機能のバランスをとっています。  

――ミッドソールについて

中谷:機能素材を使っており、軽くて反発性があり、ぐっと踏ん張った時の力を、次の動きに変えることができるような素材を使用しています。  

――企画から販売まで

中谷:企画しはじめてから2年かかりました。ソール部分に関しては、長く時間がかかりましたね。角度や厚みが変わるだけで感触が大きく変わりますので、設計段階から実際にサンプルができてからも何度も修正を重ねました。  

「ウエーブファングSS2」は、スリムタイプ、ワイドタイプ、ミッドカットタイプの3タイプがあり、好みに合わせて選んでいただけるようになっています。  

――今後の展望について

中谷:前回のリオオリンピックでミズノのシューズを履いた選手がメダルを獲得しました。そして、2020年の東京オリンピックでは、しっかりと結果を出せるようにサポートすることが我々の使命だと考えています。  

今まで市場になかったようなシューズが展開できるように、チャレンジをしていきたいですね。  (了)  

ミズノ・バドミントン
https://www.mizuno.jp/badminton/  

取材協力/ミズノ株式会社
取材写真/佐久間秀実